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「ちょっとリッチな気分」在校生なし、保護者なし、在校生なし…寂しい式だった卒業生に無償でフルコース

2020年3月24日20:30
 卒業生:「すごいおいしいです。さわやかな味がします」

 卒業生:「私たち卒業生のためにやっていただいて本当に感謝しています」

 この春、後志の倶知安高校を巣立った卒業生です。

 3月2日に行われた卒業式は、感染防止のため全員マスク姿。

 在校生や保護者は出席できず、校歌も歌うことができませんでした。

 そんな卒業生たちに最後に素敵な思い出を作ってもらいたい。

 地元・倶知安町の和食レストランがある取り組みを始めました。

 杏ダイニングの総料理長、前田伸一さんです。
      
 杏ダイニング 前田伸一総料理長:「高校の卒業式って未成年最大のイベントだと思うんですね。社会人になったり大学生になる前、自分の町を出ていく前にたくさん思い出を作っていく時だったのにかわいそうだなと、何かできないかなと思い企画」

 倶知安町をはじめとしたニセコ地区の高校の卒業生を、1万円分のフルコースの和食料理に招待しようというのです。

 卒業を祝う晴れの舞台を提供しようと考えました。

 その資金はインターネットを通して募るクラウドファンディングで集めます。

 対象となる地元の卒業生約350人分、350万円の募集に対し、3月24日現在で300万円ほどが集まりました。

 出資した人には金額に応じてフルコースの料理やランチを食べられる特典が与えられます。
   
 杏ダイニング 前田伸一総料理長:「地元の大人がお金を出してくれたっていうのを将来思い出してくれて、最終的には地元に帰ってきて働きたい、そういう風につなげてもらいたい」

 卒業生たちに呼びかけ、3月半ばから招待を始めています。

 門出を祝おうと店内を桜で飾りました。

 感染防止のため消毒を徹底し、座席の間隔をあけるなどの対策をしています。

 やってきた卒業生は就職を控えたスーツ姿や、最後の思い出にと制服を着た子も。

 おしゃれなレストランに少々緊張の面持ちです。

 看護の道に進むため地元を離れて進学する2人は…。

 卒業生:「普段食べているものより、雰囲気も違うのもあるんですけどおいしく感じて、普段、こういうの苦手なんですけど全然食べれます」 
 
 卒業生:「初めてこういうコース料理を食べて素敵なディナーを食べられて。気分ですか?ちょっとリッチ」

 先付けからデザートまで全8品の本格的なフルコース。

 函館産のサワラの炭焼きや知床産のエゾシカのステーキなど、道産の食材にこだわった料理です。

 また、それぞれの料理に合わせアルコールを含まないカクテル仕立ての ドリンクを提供するなど大人の時間を楽しめる趣向も凝らされています。

 卒業生:「料理に合わせた飲み物ってこうやって出てくるんだって、初めての経験でした」

 食事の様子を撮影し後日、アルバムにしてプレゼントします。

 満足に写真も撮ることができなかった卒業式の代わりになればと考えました。
      
 卒業生:「卒業式ちゃんとできなかったので、ありがたいなとは思いますね」

 卒業生:「働いたりして何らかの形で返していきたいと思います」

 卒業生:「私たちが寂しい思いになってしまったってことでこういう企画を考えてくださって、ありがたい思い出いっぱいです」

 ニセコ地区の高校の卒業生約350人のうち利用したのはのは予約を含めて160人あまり。

 この取り組みは3月いっぱい続けられる予定です。

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