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まもなく2年…「待ってたよ」液状化で傾いた我が家へ戻った住民 変わらない近所付き合いで実感した"絆"

2020年8月7日20:35
 あの日から間もなく2年です。

 胆振東部地震による液状化現象で大きな被害を受けた、北海道札幌市清田区の里塚地区。傾いた家から避難していた住民が我が家に戻ってきました。その復興の道のりを追いました。

 中川 抄子さん:「ここに3人がけの椅子が乗る」

 引っ越し業者:「ソファーを持ってきたら調整します」

 7月24日、みなし仮設住宅から里塚の我が家に帰ってきた人がいます。中川さん夫妻です。

 中川 抄子さん:「(以前は)この端から向こうの端までずっと(ビー玉が)転がっていたのが、止まるようになったので、(床が)平らになったと実感しています」

 中川さんの自宅は、胆振東部地震で大きな被害を受けました。日に日に傾きを増す床。大きくなっていく庭の亀裂。地震の2年前に700万円かけてリフォームしたばかりでしたが、20年以上住み続けた里塚を離れました。

 中川 抄子さん:「長い付き合いの人から『頑張ってね、戻ってきてね』と言われるとウルっときてしまう。戻ってくるつもりではいるんですけど」

 里塚地区を離れざるを得なかった住民は少なくありません。約50棟の住宅が解体され、街の姿は大きく変わったのです。

 札幌市は地盤改良工事を進めてきました。道路に杭を打ち、宅地には特殊な液体を注入して強固な地盤を作る工事です。

 その終了を待って、中川さんは家の改修に取りかかりました。その費用は最低でも600万円以上かかる見込みです。市から約300万円の補助がありましたが、定年を迎える直前の地震で人生設計が大きく狂いました。

 中川 塁三さん:「(補助がなければ)里塚に住むのをあきらめざるを得なくなるが、大きな支援をしてもらったので、自己費用と合わせて生活がひどくならないようにはできればいい」

 改修工事はまだ続いていますが、どうにか暮らせるまでに戻りました。1年8か月ぶりの我が家です。

 中川 抄子さん:「何か家具の置き場所も『こっちだっけ?あっちだっけ?』と、元の様子を忘れてしまっている」

 改修前は勢いよく転がっていたビー玉が動きません。まっすぐに立つこともままならなかった床が元に戻りました。

 中川 抄子さん:「自分の家の風呂に入れるのがうれしい。アパートの小さかったからね」

 Q初日の晩酌は?「ビールで乾杯」 塁三さん:「第3のビールだよ」

 喜びをかみしめる2人の前に思わぬ人が。

 今北 秀樹さん:「お帰りなさい」

 1年8か月ぶりに、みなし仮設住宅から里塚の我が家に帰ってきた中川さん夫妻。喜びをかみしめる2人の前に姿を現したのは…。

 今北 秀樹さん:「はい、これあげる!改めてお帰りなさい」

 中川 塁三さん:「うわー、ありがとう」

 今北 秀樹さん:「トラックが見えたから帰ってきたのかなと思い、忙しくてご飯も食べていないかなと思い、勝手に作って渡しにきた」

 親しく近所付き合いをしていた人が出迎えてくれたのです。改めて里塚に戻ってきたことを実感しました。近隣に引っ越しの報告です。

 近所の人:「いよいよ引っ越し?良かった」

 街の姿は大きく変わりましたが、そこに住む人は変わっていませんでした。

 中川 抄子さん:「(近所の人に)『おかえりなさい、待ってたよ』と言われるとうれしい。帰ってきたんだと実感する」

 中川 塁三さん:「生活を取り戻しながら、楽しんで生きていきたい」

 中川 抄子さん:「健康で平凡に暮らしていけるのが一番だなと思いう」

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