北海道ニュース UHB

チームの危機…バレーボール元日本代表エース“越川優”が挑む「一発勝負」#2

2021年5月3日20:02
 バレーボールの「V・チャレンジマッチ(V1・V2入替戦)」が、5月4~5日(三重県伊勢市)に迫る中、北京五輪に出場した元日本代表のエースで、2020年にヴォレアス北海道に加入した越川優選手が、“決戦”を前に北海道ニュースUHBの単独インタビューに答えました。

 2021年の入替戦はV1の大分三好とV2のヴォレアス北海道が対戦します。V2のヴォレアス北海道は2年連続で入替戦進出を果たしていますが、1年前の入替戦は新型コロナウイルスの影響で開催されず“戦う機会がないまま”V2に留まることになってしまったのです。

 2020年夏に加入した越川優選手は、1年前はチームの外から、そして今、チームの一員としてコロナ禍の渦に巻き込まれていきました。

 かつて日本のエースとして活躍し、現在はチームのマネージメントディレクターを兼任する越川選手。入替戦中止の報を受け、その後、水面下で再試合設定に奔走する中で、“前年の悪夢が繰り返されるのか”ということ以上に、先の見えない中に置かれたときに経験の少ないチームが崩れていってしまうのではないかと心を砕いていました。

 「特に若手は練習に身が入らず集中できていない感じで、それが原因でケガ人が出ないか心配だった」。

 越川選手自身にも苦い記憶がありました。

 2013年のことです。

 日本は現在のネーションズリーグの前身、ワールドリーグで18チーム中、最下位に終わりました。

 そのままワールドリーグの入替戦に出場する予定でしたが試合に関する連絡がありませんでした。

 2週間後に世界選手権予選も控えていたため代表の練習は続けられていたものの、結局入替戦は中止になりました。

 直後に臨んだ世界選手権アジア最終予選は敗退し、日本男子の世界選手権連続出場を14で止める不名誉な歴史が刻まれたわけですが、気持ちの切り替え“身の入らない”時間を送ったことが要因の1つだったことは明らかでした。

 「コントロールできない部分に対して、自分がマイナスに考えても仕方ない」。

 状況に左右されチームとしても個人としても結果を出せなかった越川選手は、当時の苦い経験から、ある種の割り切りにも近い、ポジティブシンキングを得ました。

 越川選手だけでなくキャプテンの古田史郎選手、そして今シーズン途中から加入したリベロ渡辺俊介選手ら、日本代表やV1での経験豊富な選手達であれば持っているであろうこの思考を、若い選手達に同様に求めるのは難しいことでした。

 「話をしていても不安やコンディションなど若い選手達は若い選手なりに色々と考えていた。僕が言えることは“その年齢でその経験ができたことはプラスだ”ということ。あとから言えることかもしれないが、こんな経験を2年連続でしている選手は他にはいない。こういった状況でしっかりと結果を求めてやってこられた経験は必ずこの先に生きてくる」。

 越川選手は入替戦の実施が発表されるまでの間、不安を感じながらバレーボールと向き合う若い選手達に、声掛けやサポートを心がけました。

 ベテラン達の存在が若いチームを落ち着かせ、チーム全体が『自分達のプラスになる時間の使い方をする』という考え方にたどり着いたことは、その後の練習にもいい影響を与えたと越川選手は振り返ります。

 「勝利のためにどういうバレーをしなくてはいけないか。チームとして落ち着いて見直す時間になった」。

 貴重な時間を経て、入替戦に懸けるヴォレアスの団結心はいっそう強くなりました。

直近のニュース