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“新人看護師自殺訴訟” 和解成立 「過酷な労働環境が見つめ直されれば…」亡くなった23歳女性の母語る

2022年5月25日19:00
 10年前、札幌市内の病院に勤務していた23歳の新人女性看護師が自殺したのは、病院側に原因があったとして遺族が損害賠償を求めた裁判で24日、和解が成立しました。

 この裁判は2012年、札幌市豊平区のKKR札幌医療センターに勤めていた新人看護師で23歳の杉本綾さんが長時間労働などによりうつ病を患い自殺したのは病院の安全配慮義務違反があったなどとして、母親が運営母体の国家公務員共催組合連合会に対し、約9400万円の損害賠償を求めていたものです。

 2018年に国が労災認定をしたことを受け母親が2019年に訴えを起こしていましたが、24日札幌地裁で和解が成立しました。

 和解条項には、
 ・杉本さんの自殺が業務に起因すると認められたことを真摯に受け止め哀悼の意を表すること
 ・病院に勤める職員の労働時間の管理を徹底し時間外労働の削減に努めるとともに新人看護師が過重労働とならないよう配慮すること

 などが記されています。

 和解を受け、綾さんの母親は「綾も安心していると思う。この裁判を通じて、医療現場の過酷な労働環境が見つめ直されれば」と話していました。

 原告側の弁護団は「哀悼の意が表されたこと及び、同様の災害が二度と発生することのないよう、とりわけ新卒看護師の心理的負荷を軽減するために配慮をすることが約束されたことにより和解に応じるに至ったものです」

 「今回の和解はこれまで弁護団が目指してきたことのゴールではなくスタートであると考えています」

 「我が国の医療現場で働く方々、とりわけ新卒看護師の方が笑顔でキャリアを重ねていけるような環境の実現に向けて、努力を続けていきたいと考えています」とコメントしています。

 一方、被告側のKKR札幌医療センターは「和解内容を重く受け止め、今後の業務に生かしたい」と話しています。

 和解金については、非公表となっています。

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